「できない」ということに運命を賭けろ

 

できないんじゃない。自分でやらないと決めているんだ。
自分には才能がない、自分は能力がないからと。

これは、日本を代表する芸術家として有名な岡本太郎さんが著書「自分の運命に盾を突け」の中で語った言葉です。

岡本太郎さんはこの後「自分に能力がないと思うことは、素晴らしいこと」だと言い、さらにこう続けました。

いいかい、人間ははばたいて飛ぶことはできなかったし、動物のように速く走ることもできなかった。(中略)

だから、空を飛ぶとか、速く走ることができないということに運命を賭けた。(中略)

人間は動物のような能力をもっていない。だから生活をひらく夢、その道具を発明して文化を創り出した。近代になると、鳥や動物以上に飛び、走るものを発明したじゃないか。

「やりたいことがわからない」、それって本当?

わたしはライフエンジンに参加するようになる前は、自分のやりたいことがわからずずっと悩んできました。

エンジニアとして働きながらも、その仕事に魅力が感じられない。どうしても楽しいとは思えない。

じゃあ自分は何がやりたいんだろうと考えても、なかなか答えは浮かびません。

このことを知人に相談すると、その知人はわたしにこんな質問をしました。

「子供のころに好きだったことは何かありますか?」

そう言われてわたしの頭の中に真っ先に思い浮かんだのは、「モノを作ること」です。元々手先が器用で、子供のころから手芸や工作が大好きでした。「なければ作る」がモットーです。

いや、そんなモットーはさておき、幼稚園児のときも、小学生のときも、中学生のときも、大学生のときもわたしはモノを作るのが好きでした。作るものは変われど、常に何かしら作っていた記憶があります。

でも、いざ就職するときに「モノ作りを仕事にする」という発想は全くありませんでした。

それで生きていけるなんて、夢にも思わなかったから。

でも知人にそういわれて、はっとしました。就職してからもモノを作ることは好きだったけど、それはあまりにも当たり前すぎて、見えなくなってた。

やりたいことは、ずっとわたしの中にあったんです。

 

「わたしにはできない」

世の中には、やりたいことをやって生きている人がたくさんいます。

スポーツ選手、芸術家、作家、歌手、起業家…やりたいことをやっている彼らはとても生き生きとして、輝いている。

「あの人のように生きられたら…」

あなたもこんな風に思ったことが一度はあるのではないでしょうか。そして、そこにはこう続くのではないでしょうか。

「でも、わたしにはできない」と。

その考えはあまりにも自然すぎて、あなた自身がそうやって「やらない」と決めていること自体に気がつかないのです。

まさに昔のわたしもそうでした。クリエイターとしてモノ作りをしながら生きている人はたくさんいるのに、そしてそんな生き方がしたいのに、知らず知らずのうちに「できない」と思い、やらないことを選択していたのです。

 

「できない」ということに運命を賭けろ

あなたが憧れのあの人になることはできません。それは紛れもない事実でしょう。

しかし大事なのは、憧れのあの人になることではなく、あなたがあなたのやりたいことをやって生きることです。

岡本太郎さんの言葉を借りるなら、あの人のようにはできないということに運命を賭けるべきなのです。

 

あの人のようには、なれなくていいしならなくていい。

あなたはあなたの人生を生きればいいのです。

さあ、あなたは、何に運命を賭けますか?